Vol.33『アンダーグラウンドファンク』


Vol.33『アンダーグラウンドファンク』

2012/11/10(木)~13(日)
@参宮橋TRANCE MISSION

脚本・演出:福永郁央
【CAST】
為平康規/石井亜矢/遠藤咲子/ますだようこ
(以上、あなピグモ捕獲団)
貝谷 聡/長野慎也/小澤 貴/青木五百厘/杉本美豊/若林史子/有賀太朗/浮谷泰史/島田ボル七

【STORY】
誰に何を言われても鈍感に、ブレることなく変化のない人間を、世界は何と呼ぶのだろう。
臆病者、頑固者、夢想家、理想論者、変人、原人…。
例え何と呼ばれようとも、鈍感でブレることを知らないその人間には、波風が立つことなどないだろう。
風が吹けば桶屋が儲かるかのように、
ややもすると足の先が痛くて堪らない側の人間には、到底理解の向こう側だ。
そう、生きている間に到達することのない場所が計らずとも数多あるように、
その鈍感な人間の場所には、到達することなどないのだろう。
そんなことを思うと、何ともやるせない気持ちになってくる。
甘くほろ苦い過去にはどうやっても戻れない。
そんな足りない、欠けた、削げ落ちた、やるせない気持ちが雨となって落ちてくる。
今わの際、人生の制限時間まで奔走して、誰がこの世界を残らず塗りつぶせるだろう?

『そんなことは考えるだけ無駄だ。』
その鈍い人間なら、世界で一番硬い金属のような顔をして言うだろう。
そして、私には到底聞こえない音楽に身をくねらせて、こう付け加えるのだ。
『世界の一部になれただけで、ファンキー。』
それでも、そう言って差し出された手で世界と繋がる…みたいな話が書けたらと思う。

書けなかったら、書けなかったで、その人間の場所にはやはり辿り着けないんだと思い知るのだ。